だから浦和市がさいたま市になり、それが県名と同じ発音だからといってレッズはチーム名を「さいたまレッズ」とはしなかったのである。埼玉の人もまた、「埼玉」と言いたがらないからだ。だからさいたまレイナスを吸収し「浦和レッズレディース」としたのは大正解である。レッズの偉い人(?)は、県民性をよくわかっている。心配なのはサポーターの数で負けている大宮アルディージャがジェフのように「さいたまアルディージャ」を名乗らないかということだ。まあ大反対されるだろうけど。
ところでこれが全く逆の地域がある。
横浜の人は「横浜」と言いたがる。
横浜に住んでいる、と言うからJR横浜駅や、中華街、山下公園などをイメージしつつ、横浜のどこ?と聞いてみると、実は京急線の能見台だったりする。どこだよ、それ。つーか、横浜市、広すぎ。
また、「東京」はどうなのかと言えば、これはまた少し違う事情で失敗であろう。東京都民は普段「東京」という言葉を使わない。使うのは例えば地方出身の都民が田舎に帰ったとき、今どこに住んでいるか聞かれ、「東京」と答える、そんなときくらいである。「東京」という名前の場所は、あくまで地方から見たときに存在するのであって、実際東京に住んでいると今自分がいるその場所が「東京」であると認識する機会はほとんどない。住んでいるのは「三茶」であり、会社があるのは「新宿」であり、遊びに行くのは「渋谷」である。だから「FC東京」と言われても、ほとんどの東京都民は自分の住む場所のチームという感情を持ちづらい。なんだか、架空の街のチームのような気がしてしまう。いっそのこと「FC調布」のほうがよかったのではないか、いや、マジで。
で、そんな色々な県民性を持つ日本国民がみんなで応援すべき「日本代表」ですが。これ、個人的には当分は「ジーコジャパン」、いや、どうせなら「FCジーコ」とか、そんな風に呼びたい気分であり、コールも「ニッポン!ニッポン!」ではなく「ジーコ!ジーコ!」でいい気がしている。あ、いや、逆かなあ。こんなチームでも「日本」って名前が入ってるから仕方なく応援してるって感じか。うーん。