加地さんがパンを買いに行かされる場面を想像するたびに、いつも胸の奥の方がほんの少し痛むような気がするのは、私がある人をパンを買いに走らせたことを思い出すからなのだった。ある人とは、私の母である。
「メロンパン。5分以内。ダッシュ」冷たく命令する私に素直に従い、小雨の中小走りでパンを買いに行く年老いた母。ってそうではなく、母は自転車で走ったのだし、私はその荷台に取り付けられた子ども用シートに乗っていた。幼い頃の思い出だ。
幼稚園の帰りだったのだと思う。今日のお昼なに食べたい?と聞く母に、私は「二色パン」と答えた。クリームパンとチョコクリームパンが半分ずつ合体している、一つのパンで二つの味が楽しめるパンだ。
田舎の小さい町唯一のスーパーに、残念ながらその日は二色パンがなかった。単品のクリームパンは売っていたのだが、わがままな私は絶対に二色パンが食べたいと言って聞かない。しかたなく母は町中の菓子パンを売っている店を自転車を走らせて回ったのだが、二色パンはどこにも売っていなかった。せめて単品のチョコクリームパンでも売っていれば、クリームパンと合体させて二色パンのような物を作ることも出来たのだが、それもない。とにかく言い出したら聞かない私は、いやだ、絶対二色パンが食べたいと駄々をこねる。困った母は考えて言った。「じゃあ作ろう」。
作ると言ったって、パンを焼く機械も材料もない。家に帰ると、母は戸棚から板チョコを取り出した。それを溶かして食パンに塗ればチョコクリームパンっぽくなるだろうと考えたのだ。チョコ食パンと買ってきたクリームパンで二色パンになるよ、と母は言う。私は機嫌を直し、出来上がりを待った。
母は少しでも早く私に食べさせようと、板チョコを湯せんではなく電子レンジにかけたのだが、それが失敗だった。加熱時間を長くしすぎ、板チョコは焦げ、苦くて食べられない物になってしまった。
「残念だけどもういいよ。色々ありがとう。今日はクリームパンでがまんするよ」と、私は言わなかった。私は怒ったのである。焦げたのなんか食べられないじゃないか!と。
私のわがままを叶えるために自転車を走らせ、なんとか工夫して二色パンを作ろうと努力してくれた母に対し、いくら子どもだったとはいえ、私はなぜ怒ったりしてしまったのだろう。あの時は本当に悪いことをした。今度田舎に帰ったら、母に謝ろうと思う。二色パンをお土産に買って。
エエ話や・・・。kajidaisanjiさんの記事はたまに短編小説読んでる気分になることがあります。
お母さんとパンのふんわり温かい話ですね。そのお子さんも、実に子どもらしいんですけど。
加地君の尊敬するお母さんもこんなんかなぁ?ってつい思ってしまうのでした。
確かに、そんなほろ苦い記憶自分にもあるな〜(泣
そして、自分の子供にもきっと、駄々こねられて困った事あったんだろうけど、忘れちゃった・・・
だから加地君は何度も何度も、走るのです、きっと
ps:バレンタインチョコ作るとき、レンジでチンで、チョコ⇒“炭”になったのは、痛すぎた(汗;
「謹製」とか「高級」なパンより、どこでも売ってるクリームがちょっとねっちょりした2色パン、たまに食べたくなります。
なんか食べたくなってきたので今日のナビスコカップ観戦のお供に買っていこうかな。ヤマザキナビスコ製の探して。
カジオログの魅力はおかしくてかなしい。
ルコントの映画のようなものである。
なんてね、、、
kajidaisanjiさんのこと大切に思ってたんですね。
今はお母さまにとってはいい思い出だとおもいます。
加地さんも駄々こねる加地ちゃんのために、ほしいものを爪に書きとめ、走ってるんです・・かね。
良いお母様じゃあないですか〜。うちなんて、母が仕事に出て祖母が弁当考えてて、思いつかない日(?)は菓子パンだったような???それでもチョコパンなんかは嬉しかった・・・なんて貧困な思い出なんだろう。
今は加地さんの為にサッカー観戦出かけたり、スカパーだのデジタルだのと贅沢してるな〜。良い時代だな〜。kajidaisanjiのおかげで仏様に手を合わせる事になりましたわ。
今日のお話はほろり(´;ω;`)としました。
親孝行してくださいね^^
困りはしたもののきっとお母様は、自己主張ができるkajidaisanjiさんをかわいいな〜大きくなったな〜とか思ってたに違いないのです。
二色パンと思い出話を持って帰ったらきっとお母様は、あーらそんなこともあったのね、大きくなったなあ〜と言ってくれるに違いないのです。
暖かい親心を感じますね〜!
母親だからって甘えから意地をはってしまって、絶対に「ありがとう」って言えなかったことが多々…。焦げたチョコみたいにほろ苦い思い出です。
「文化の日」親道を極めてる母に秋の叙勲!!こんなこと思い出させてくれてkajidaisanjiさんにあ・り・が・と・うです。
さっきまで友達と大騒ぎしてたのに、あれ?彼は?と気付いた時には独りベランダで星を見ている・・・そんなkajidaisanjiさん。
今日の「二色パン」は独りベランダで思うことですね、たまにはしんみり、読者も水を打ったようにしんみり・・「カジオログ」になびいています、秋ですね〜。
あ、忘れてましたが今日ナビスコ杯だったんですね。
ちょうど2年前の今日、懐かしいナビスコ杯加地さんインタビュー。
http://www.jsgoal.jp/2004nabisco/news/article/00013196.html
短髪のほうが好きだなぁ・・・
子どもの要求に対する親の生み出す「方便」には時にあっと驚きます。チョコレートを溶かして食パンに塗ってクリームパンと一緒に食べると2色パンになる、って思いついたkajidaisanjiさんのお母様はすごい。
加地さんももう数年したらリヒトくんのためにパン買いに走るんでしょうね。「メープルパン、30秒、ダッシュ」でまじダッシュの加地さん。
あ〜二色パン久しぶりに食べたーい♪
お土産にする二色パン、今度は加地さんを買いに走らせないでくださいネ★笑。
ほのぼのとしたあったか〜いお話に心が和みます。「だいちゃん(?)しっかりつかまっててね」と言われながらいっぱいお話したりお歌をうたったりしてたのかしら?
お昼時のお話だったけど、なんだか真っ赤な夕焼け空を思い浮かべてしまいました。秋・・・晩秋なのね・・・。
あの・・・幼稚園の時に電子レンジがあったんですね。
このお母さんがあのお父さまと添い遂げたという事ですね。母というのは自覚なく偉大です。
話は全く違いますが、某番組に、はにゅさんが出てました。いじられてました(笑)
うーん、昭和のにおいのするいいおはなしです。2色パンが見つかるといいですね。それを食べたらお母様も懐かしい思い出でふんわり幸せになることでしょう。
ナビスコ、試合終了後のみんなの子供のような顔がかわいかった。大画面に映りたがる勇人とはにゅーは子供でした。我が家の優勝祝いは秋葉原ホームで買えるタルト、これおいしいです。
加地さんも二色パンを買って来いと頼まれ奔走…。
ほのぼのあったかい話ですが、kajidaisanjiさんのお母さんの“その場しのぎでなんとなくいい加減な感じ”が、ウチの亡き母に重なり、じんとしてしまいました。(合掌)
その場しのぎでいい加減という点では、私も「確実に遺伝してるよね。」と家の者に言われています。
akiさん>>
わぁ♪2年前のちょっぴり若い加地さんだ^^
このときの試合はすごかったと聞いて動画が見たいなって探すんですけどなかなか見つからず・・。
加地さんのPKキックを怖くて凝視出来なかったなどのエピソード付でぜひ見たいのですが^^;
2年前からすでに ガラガラヘビネックレスしてたんですねぇ。やっぱり奮発して買おうかな。
これはない。ありえない。我が家では。
なぜなら私が母だからだ。
今日も今日とて『めばえ』の付録の機関車トーマスクリスマスツリーが写真の出来と違うとぐずる娘に「なら自分でやってみろよ!」と逆ギレ、「もう知らん、二度と作らねえ」と言い捨てて5時間も昼寝をしていた、そんな私が母親だからだ。
起きたら頭が痛かった。バチが当たったのか。
はじめまして。
今日神戸に新しくオープンしたKAMOさんに行ってみたら、
三都主、遠藤、明神、播戸選手からお祝いの花が贈られていました。
すると一番端に加地さんからのお花も…!
隅っこで健気にふんわりと咲く加地さんのお花。
わたし的に、加地さんには何となく雑草が似合う気がします。
>>akiさん
はんぺん小説。いや、なんでもないです。好きなおでんの具ははんぺんとちくわぶです。…なんでもないです。
>>フーさん
加地さんのお母さんはいいお母さんなんでしょうね。加地さんの人柄でそれが分かりますよね。
>>yuri★さん
私の母もこのエピソードを憶えていませんでした。母とはそういうことはどんどん忘れて子どもに愛情を注ぐものなんでしょうね。バレンタインに手作り備長炭?
>>プリンさん
高校の頃、母が寝坊して弁当が菓子パンになるとちょっと嬉しかったりしました。今思えば手作り弁当の方が嬉しいはずなんですけどね。
>>lovelove_kajisanさん
親孝行しないといけませんね。04年のナビスコの動画(加地さんのPKなど)ここで少し観れるようです。http://www.jsgoal.jp/2005nabisco/history/2004_tokyo.html
>>akiさん
懐かしいですね。あのころは加地さんが気になりつつも、まだこのカジオログもありませんでした。
>>kajina06さん
チョコを溶かしただけではチョコクリームとは全くの別物ですよね。30秒とはドSですね、リヒトくん。
>>あゆみさん
二色パン、自力で探したのですが見つかりませんでした。やっぱり加地さんに頼めばよかった…
>>・絆・さん
だいちゃんではないですが、いまだに親戚の伯母さんには「○○ちゃん」と呼ばれます…。電子レンジありましたよ、私、平成生まれですから(嘘)
>>くまこさん
自覚ないんですよね、母は。憶えてませんでしたし。いじられる羽生、見たかったです…
>>とろろさん
二色パン、なかなか売っていないので手作りすべきですかね、チョコを溶かして。秋葉原のタルトずっと気になってたんですが、今度買ってみます。