昇格プレーオフを勝ち抜き勢いに乗っている山形を退け、天皇杯優勝。ガンバ大阪はJ1昇格シーズンに、リーグ、ナビスコ、天皇杯の三冠獲得という偉業を成し遂げたのだった。
なんか全然、おもしろくない。
開幕当初はなかなか勝てなかったチームが、加地さんが移籍で抜けてからは怒涛の快進撃。なんだよ、加地さんなんかいなくても、っていうか加地さんなんかいないほうがいいのかよ。加地さんは手紙だけ書いてりゃいいのか。最初から加地さんがいなかったら10冠くらいできたってか。あとの7冠がなにか知らないけど。愛は勝つか?真珠夫人か?
そりゃあ確かに加地さんは勝利が第一っていうよりは、大惨事でピッチに笑いをもたらすことを優先しがちで、でも、ボケてボケて勝て勝てホームやぞ、ってそれでも勝っていくのがガンバじゃなかったのかよ。
おまけに移籍先のチームが消滅した加地さんは、パンチョ伊東からも声がかからず、むしょ(略)になってしまった。
違う、おかしい、こんなはずじゃなかった。
移籍先ですぐにスタメンに定着した加地さん。加地さんのふんわりクロスを初めて見る相手チームはそれに全く対応出来ず、おもしろいようにゴールが決まる。低迷していたチームは残り試合を全勝して逆転優勝、加地さんはシーズン途中加入にもかかわらずMLSの年間MVPを受賞。さらにはピッチ外でもそのスベり芸がアメリカ人の目には新鮮に映り大受け、全米の人気者に。
一方のガンバは勝利の女神からも笑いの神様からも見放され、一年でJ2に逆戻り。翌年以降もなかなか勝てず、J2にすっかり定着して何シーズンも過ごすはめに。サポーターは痛感する。ああ、やっぱり加地さんの存在は大きかった。加地さんがいればもっと勝てた、かどうかはわからないけれど、たとえ負けてもそこには笑いや癒やしがあった…。
そしてある年のシーズン開幕直前、ガンバの新加入選手発表会見の席に、Jリーグでは珍しいアメリカ人選手の姿があるのだった。
アキラ・カジ。
毎シーズンコンスタントに活躍し、すっかりMLSの顔となった加地さんは、ついにアメリカ国籍を取得。キャリアの最後に古巣を救うべく、助っ人外国人アキラ・カジとして、ガンバに戻ってきたのだった。
カジさんはサポーターに熱狂で迎えられ、以前と変わらないスタミナで右サイドを走り抜け、アメリカで鍛えたフィジカルで故障もなく全試合フル出場、本場仕込みのアメリカンジョークでガンバの新スタジアムを沸かせる。そして長い長いトンネルを抜けたガンバは翌年ついに、この舞台に立ったのだった。
J3。
違う、おかしい、こんなはずじゃなかった。
KANでも菊池寛でもなく、この結果・・・遺憾です。
とうとう「むしょ」になるという大惨事をおこした加地さん。
このまま引退という悲惨にならないことを祈るばかりです。
>>ラスカルさん
ハロワで紹介された株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブへの就職が決まった加地さん。引退はまだまだのようでひと安心ですね。