天皇杯・ベガルタ戦

出場停止で加地さんを欠きつつも、ガンバはルーカスの2ゴールで見事決勝進出を決めたのだった。

2ゴールとも、キーパーの弾いたボールや相手選手にあたったボールが運よくルーカスのところに飛んできて生まれたゴールで、いいFWには不思議と足下にボールが転がってくる、などと言うが、今日のルーカスはそれだけではなかった。

足の間にボールがぶら下がっていて、それを強打。

金玉ネタで2009年のカジオログも締めくくるのもちょっとどうかと思うので、国立を照らす西日で不思議な影絵を作ってみせる橋本を、ってそれもどうかと思いつつ、加地さんが元日に何をやらかしてくれるのかを楽しみにしながらの、今年も幸せな年越し。

加地さんのクリスマス・キャロル

「アキラカージ… アキラカージ……」

「うーんむにゃむにゃ、誰やこんな夜中に僕を呼ぶんは…?うわ、おっさん、誰?」

「アキラカージ…」

「え、体が透けてる!ゆ、幽霊?!幽霊がクリスマスイブになんの用?」

「アキラカージ… アキラカージ……」

「イブに幽霊って、まるで“クリスマス・キャロル”やな…。
あ、もしかしてその変な呼び方は“スクルージ”風に言ってるつもりなん?」

「アキラカージ…」

「いやいやいやいや無理があるやろ、スクルージとアキラカジ、“ジ”しか合ってへんがな」

「ホニャララージ…」

「ごまかしても全然違うから。っていうか気持ちよく眠っとったのに…今何時よ?」

「モウスグ午前2ー時…」

「…あくまで“スクルージ”風か。
いや、ちょっと待って。おっさんが“クリスマス・キャロル”の幽霊なら、
もしかして僕に過去とか未来のクリスマスを見せに来たとか?」

「ソノトーリ…」

「普通にしゃべりいな。
いやいや、スクルージはクリスマスを嫌っとったから幽霊に色々見せられたんやろ?
僕はクリスマス好きやもん、必要ないわ」

「オージ…」

「おうじ?…ああ、往時、過去のことね。
めんどくさいなあ、無理して“スクルージ”風にしゃべらんでええよ、
もはやほとんど“スクルージ”風にすらなってないし」

「プール…」

「…かろうじて“ー”だけは合ってるけどな。
え、プール?過去のクリスマスを見せるんやないの?夏?なんで?」

「スクール水着…」

「ロリコンか!
しかもなにその『今度は“スクルージ”風に言ったったぞ』みたいな勝ち誇った顔。
“スク”しか合ってへんっちゅうねん、ボケ」

「スクールウォーズ…」

「うわわわ、やめろ、窓ガラスを金属バットで割るな!
…って思わず大声で叫んでしまったやないか」

「スクリーム…」

「誰のせいや。
もうホンマ寝かして。さっきまで子どもたちのためにサンタクロースやって疲れとんねん」

「ふんわりクロース…」

「そうそう、僕はスタジアムのみんなに笑いを届けるふんわりクロース、って誰がやねん。
ゴール前に人数が足りないのにあげちゃう、あわてんぼうのアーリークロース、ってか」

「…」

「…自分はさんざんボケるのにツッコんではくれへんのやな。
もうええわ、寝るから帰ってなホンマに。お休み。ああしんど」

「…」

「…」

「ソーセージ…」

「どこ触っとんねん、変態かおっさん!っていうかソーセージちゃうわ!」

「ポークビッツ…」

「誰がやねん!もうホンマにかんにんして、どっか行って。
あ、そや、もっといいとこ教えたるからそっち行き。あのな…」

*  *  *  *  *

「うーんむにゃむにゃ、誰やこんな夜中に僕を呼ぶんは…?うわっ、だ、誰や、お前?」

「バンドリュージ…」

「お、お化けー!」

(おしまい)

HLB CHRISTMAS 2009

先日の、枯れ草となってしまった加地さんと永里を捨てる決心をした記事にたくさんのコメントをいただき、その大半は捨てずに、もしくは捨てる前に、別の使い道、もしくは別の遊び方を試してはどうかというご意見で、確かにただ捨ててしまうのはもったいないと思えてきたのだった。

ヘアーラボ本来の遊び方である、伸びてきた髪(芝)を好きなヘアスタイルにカットするという楽しみ方が競技の性格上できなかったから、最後にそれをしてみるのもいいかもしれない。また、せっかくきれいに枯れて藁のようになっているので、それを利用して納豆などをこしらえてみるのはどうだろう。もしくは藁で縄を、あ、全然関係ないけれど、最近話題の「Twitter」でこんなふうにつぶやく人はいないだろうか。

「縄をなう」

今、縄をなっていますよ、というつぶやき。

いやまあそれはどうでもいいんだけど、加地さんの藁で縄をなって、もういくつか寝るとやってくるお正月にそなえて「しめ縄」を作るなんてどうだろう。と思ったけれど、それでは年内で捨てることができないし、そういえば去年は青々と茂った加地さんたちをツリーに見立てて飾ったのだった。今年も何かクリスマスっぽいものに変身してもらって、それで有終の美、がいいのではないか。

さすがに枯れ草のツリーはみっともないので、今年はツリーを飾るほうの、オーナメントにすることにし、長い髪を結って何かの形を作ろうと思ったけれど、でも複雑な形は難しいし、そうだ、十字架なら簡単でクリスマスっぽいのではないか。それでできたのがこれである。

どう見ても、呪いの藁人形。ツリーの枝にぶら下がっているより、幹に五寸釘で打ち付けられているほうが似あうに違いない。

加地さん、イブの丑三つ時に誰を呪う。

天皇杯・アントラーズ戦

13時から始まった仙台対川崎の試合は1−0のまま終わりそうで、さあ15時から中継が始まるぞと思ったら川崎のゴールで1−1となり延長戦突入、中継もそのまま延長になり、なんだよ途中からになっちゃうのかよ、どっちでもいいからせめてPK戦まで行かずに早く決着つけてくれ、などと思いながら次に目が覚めたときには、2−1で試合が終わっていた。どうやらガンバが勝ったらしい。

次の準決勝の会場は国立で、よし、今年最後の加地さん生観戦だ、と思いきや、加地さんは私が居眠りしている間に2枚目のイエローをもらったらしく、次は出場停止なのだった。なんてこった。

でもチームはきっと準決勝も勝ち、加地さんを元日の国立のピッチへ連れて行ってくれることだろう。そうなったらその日こそ、早起きして、お餅を食べて、お年玉をもらって、初詣に行って、帰ってきて、TVの前で、居眠りだ。

ぶあついアクリル板越しに、今まさに結ばれようとする二人。

さよなら加地さん

「ずっと放置してるけど、どうするつもりなのか?」と聞かれ、私は驚いたのだった。どうするのかと言われて、ああそういえばと思い出した、つまりそれまですっかりその存在を忘れてしまっていた、自分自身にである。

加地さんを応援、っていうか見守り、毎日のように記事を書いたりしていた私だったのに。あんなに夢中になっていたのに。放置しつつも気にはしていたつもりだったけれど、いつの間にか完全に忘れてしまっていた。

久しぶりに見てみると、忘れるほど放置したのだから当たり前だけれど、もはや「残骸」になり果てている。客観的に見て、これはもう「死んでいる」と言っていいのではないか。人が住まなくなって廃墟と化した家の、荒れ果てた庭を外からのぞいたときのような、言いようのないうら寂しさを感じ、思わず目をそむけたくなってしまった。

これをこのまま放置しておくのは、あまりにもいたたまれない。では以前のように次から次へと何かが生まれてくる日々が再びおとずれるかといえば、それもおそらく無理だろう。なにしろもうタネがない。完全に、枯れてしまったのだ。

おりしも12月、年末だ。大掃除の季節である。思い切ってけじめをつけるのには、ちょうどいい時期ではないか。

さようなら、加地さん。今月いっぱいは思い出に浸るためにこのまま置いておくけれど、新しい年を迎える前に、きっぱりお別れしよう。心苦しいけれど、でもたくさん写真も撮ったし記事も書いた。それはこれからもずっといつだって、このカジオログで見られるんだから。

ということで、「このゴミみたいな枯れ草をどうするつもりなのか?」という家の者からの問いには、「はい、今度の燃えるゴミの日に捨てます」と答えることにしたのだった。

ヘアーラボ加地さん&永里の思い出

代表香港戦

日本代表がゴールを決め歓声がテレビから聞こえてこようとも、手元の編み物だかなんだかからその視線を動かすことのなかった家の者が、アナウンサーのこんなひと言に反応し「え?」と声をあげ、食い入るように画面を見つめたのだった。

「長谷部の前があいています」

いや、それ、たぶん“スペース”のことで、だいいちついてないんじゃないのかな、サッカーのユニフォームのパンツには、社会の窓。

アルディージャ戦

「よーし、今日は90分ずっと目をつむってプレイしたろ」

「あれ、ボールどこやろ…」
加地さん、後ろ、後ろ!

「ゴールはたぶんこっちやな」
センターラインに沿ってあらぬ方向へドリブルする加地さん。

「っていうか、ここ、どこ?」
もはや自分がどっちのサイドを走っているのかも分からない加地さん。

「えへへ、目つむってたらオフサイドトラップ失敗しちゃった」
ってまだつむってるがな。

「今度は鼻つまんどこ」
ええかげんにしなさい。

ペットボトルに口をつけてチューチューする加地さんに近寄る遠藤。「次ちょうだい」。

みごと加地さんとの間接キッスに成功した遠藤。それを見てたまらず「俺も!」と駆け寄る中澤。

芝生1本分ラインを踏んでスローインする高等テクニック。

顔にくっついているかのようにボールをコントロールする橋本イリュージョンに「どうなってんの?透明のアクリル板を使ったトリック?」と興味津々のハト選手。

加地オシリ、2009・夏みたいな暑さの10月。

玉週間

シルバーウィーク最終日。っていうかどうなんでしょう、この「シルバーウィーク」っていう呼び方。5月がゴールデンだからシルバー、金といえば銀、ということなんだろうけれど、金といえばやっぱりこっちではないのか。

玉。

ボールウィーク。語呂をそれっぽくして、ボールデンウィーク。そんな玉週間の締めくくりにふさわしいのは、やはりこの人だろう。

玉をいじる玉ちゃん。

ACLのフロンターレ対グランパスの試合を観戦しに、国立へ行って来たのだった。まあ玉ちゃんっていうよりはどっちかというと本当は、この人に会いに行ったのだけれど。

ちゅーちゅーする中村憲剛。

そしてもうひとり、私が中村憲剛に注目し始める少し前に日本代表に召集され、その顔や髪型がちょっと気になっていたものの、そのままほとんどカジオログに登場することがないままだったこの人を再確認するという目的もあったのだ。

中村直志。その髪型には私が記憶していたほどのインパクトはなくなっていたものの、それでもやはりちょっと気になるのであり、私は“W中村”の対戦をとても楽しんだのだった。

足並みぴったりのW中村。

ところでこの試合はACLの試合なので、もちろんあの人もちゃんといたのである。

人っていうか、W中村を目の前で堪能する、ネコ科の動物。
「わー、Wニャカムラだー」

「あ、そのバケツ、餌かニャ?」
「え、いやこれ芝生」
「…」

やっぱり気になる、憲剛の顔。

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