静止画だとなんだかよくわからないが、相手選手のスパイクがすねに入り、つるっと一瞬にして靴下がずり下がってしまった長谷部。どうせならパンツがずり下がればよかったのにな。つるっと。ウッチーの。
ところでパンツといえばちょっと気になったのはオマル選手がユニの下にはいていたこれである。
柄パン。ふつうの、トランクスの柄パンに見えるが、そうなのだろうか。邪魔じゃないのか、中で、ぶらぶらして。
あれは私の高校最後の運動会での出来事だったが、同じクラスのT君は陸上部の短距離走者で、だから運動会の徒競走は彼にとっては大きな見せ場であり、芋ジャージをはいてちんたらパン食い競争などしている我々とは違い、しっかりと陸上用の短パンをはいて本気モードで挑んだT君だったが、しかしうっかり者の彼は当日痛恨のミスをおかしていた。短パンの中に着用する、サポーターパンツを自宅に忘れてきてしまったのである。悩んだT君だったが、やはり陸上部員としては芋ジャージなんかで神聖なるトラックを走るわけにはいかず、結局家からはいてきた普通の下着のトランクスの上に陸上用の短パンをはき、スタートラインに立ったのだった。
ピストルが鳴り、飛び出す選手たち。沸きあがる歓声。私はそれを、ゴール地点からカメラのレンズ越しに見ていた。T君が1着でゴールテープを切る姿を、写真に収めるためだ。素晴らしいスタートを切り、美しいフォームでこちらへ向かってくるT君。しかし程なく、歓声が笑い声に変わりつつあり、T君の様子がおかしいことに私は気が付いた。しっかりとゴールを見据えていた顔を何度も下へ向け、前後に振るはずの両手でしきりに短パンを触っている。何が起きたのか確認しようと、カメラをめいっぱい望遠にズームした私は、見た。
短パンからはみ出すちんちん。
やはりだめだった。普通のトランクスでは、T君の走りで激しく揺さぶられるそれをその中におさめておくことはできなかったのだ。爆笑の渦の中、それでも陸上部員のプライドか、レースを棄権することなく走り続けるT君。ちんちんを手で隠しながら走るおかしなフォームなのに、先頭争いを続けている。そしてレース終盤、T君の陸上魂に火が付いた。ちんちんなんてもう関係ない。T君は両手を思いっきり振って、ラストスパートをかけたのだった。
ゴール。必死の走りもむなしく、中盤でのロスが響いて惜しくも1位を逃したT君。私は少し躊躇したけれど、ゴールの瞬間に1枚だけ、シャッターを切ったのだった。
数日後。T君はその「珍走」というか「チン走」で、すっかり有名人になっていた。写真が出来上がって来たので(まだフィルムで写真を撮っていた時代だ)、私は真っ先にT君のゴールシーンのそれを探して確認し、驚いた。私は陸上の神様の存在を知ったのだった。
1位の選手が切ったゴールテープがちょうど重なって、隠れている。
恥ずかしさを捨て勝負を選んで完走したT君を、陸上の神様はお護り下さったのだ。ってバーレーン戦と全然関係ないけど。
「俺の左脚でいく?」
「俺の右脚でいく?」
「僕の前脚はどうかニャ?」
「!!」
「男なら、危険をかえりみず、死ぬと判って行動しなければならない時がある…負けると判っていても戦わなければならな…、ってイテテ、メガネのつるをつつくな!」■
ところで後半31分、この人がピッチに立ったのだった。
ってしまった、ピンボケだ。ええと、だから、この人である。
なんだよ、橋本はテレビに映しちゃいけないのか。先日のミュージックステーションの総集編で徹底的にぼかしを入れられたり画面外に消されたりしていた、TM某の「K室」やドリ某の「N川」のような扱いか。ならば橋本も「橋本」ではなく、こう表記しなければならないのか。
「H本」
エロ本だ。ならばテレビに映せないのも、しかたがないな。