コンパクトタイプのデジカメを買い換えた。今まで使っていたそれは4年前のもので、まだまだ使えるといえば使えるのだが、手ブレ補正もついていないし、液晶モニターも切手みたいに小さく、そろそろ買い換えたかったのである。
最新のデジカメは、より薄くなり、液晶モニターも広大で、画素数も大幅アップ、手ブレ補正はもちろん、様々な機能、例えばシーンごとに最適な設定できれいに撮れたり、顔を検出して自動でピントや露出を、って前置きはもういいか。つまり私がデジカメを箱から取り出し、電池とメモリーカードを入れ、まずカメラを向けたのはPCのモニターなのであり、そしてその結果は驚くべきものだったのである。
俊輔、ついに顔検出に成功。やはり最新のデジカメはすごい。「まかせなサイバーショット」だなんてドクター中松風のキャッチコピーもだてじゃないのだ。ついにやったな、おめでとう、俊輔。
ところでこのデジカメには他にもいろいろな機能があり、被写体が笑顔になるとシャッターが切れるという「スマイルシャッター」はCMでもおなじみだが、その逆に、撮った写真をあとから笑顔にしてしまう「スマイル加工」機能まであるというので、じゃあ仏頂面の小笠原を笑顔に加工してやるかと試してみたところ、意外なことが起こったのだった。
スマイル加工に負けない、小笠原の鉄壁の仏頂面。って、違う。小笠原は効果はほとんどないにしても、一応加工の対象になっている。なぜか俊輔だけが、その対象になっていないのだった。どうしてだろう。撮影のときにはしっかり検出され、枠がついていたのに。不思議に思っていろいろいじっていると、スマイル加工機能の簡単な説明が表示され、そこにはこうあった。
「人物の顔」。つまりこれらの情報を総合して考えると、はじめに俊輔が検出され枠がついたのは、「人物の顔」としてではなく、別のなにかとして検出されたのだということになる。最新のこのデジカメには、いったい何を検出する機能が搭載されているのだろうか。本体をあらためてよく見てみると、モードダイヤルにその答えはあった。
スタジアムで、もしくは秋の野山で、大活躍の予感。
俊輔、ちんちん握り締めて、何思う。
「(オマーン…)」