全部嘘

Jリーグやナビスコ杯、さらにはW杯予選バーレーン戦などがあったこの半月の間、カジオログを全く更新しなかった理由を加地さんの怪我による欠場のせいにすることもできるのだけれど、たぶんそれら全てに普通に加地さんが出場していたとしても更新はできなかったかもしれないのは、私にしては珍しくちょっと忙しい日々だったからで、色々なことがあったこの半月を、ここで振り返ってみる。


前回の記事を書いた直後、私の頭の中に「My Favorite Things」のメロディーが流れ、そうだ、本場の沖縄黒糖入りロシア食べに行こう。と思ったものの、自分でも書いたとおり、沖縄黒糖入りロシアは近所のスーパーで売っている。ということに気がついたのは飛行機に乗ってしまってからで、じゃあかわりに本場のサーターアンダーギーやちんびんを食べて帰ろうと、飛行機を降り片っ端からお店を回るがどこにもなく、っていうかそもそもお店の人が何を言ってるかが全然わからず、ウチナーグチ(沖縄弁)ってこんなにも違うのか、それにしても寒いな沖縄、みんな冬のコート着てるし毛皮みたいな帽子かぶってるし、と思ってよく見たら、ここはロシアだった。

間違えた。しかたがないのでピロシキやブリーンをたらふく食べ帰って来、お土産のマトリョーシカを渡そうと思ったが家の者がいない。夜になっても帰って来ず携帯電話も電源がオフで、思いつく限りの知人に連絡を取るも行方はわからず、家の者の勤め先の同僚(巨乳)には「夕方には帰ったと思いますけど」と言われますます心配になり、一睡も出来ぬままむかえた朝、ようやく帰って来たのでどうしたのかと尋ねると、「仕事が終わって帰ろうとしたらめまいがしたのでちょっと仮眠室で休もうと思って横になったら朝まで熟睡してしまった」と、納得いくようないかないような説明をするのだが信じるしかない。

もやもやを抱えたまま私はミッションのため飛び立たなければならず、アームを操作して船内保管室を取り付けたり、紙でできたブーメランを投げて戻ってくるか実験したり、1週間着用しっぱなしのブーメランパンツを船員の顔面めがけて投げるとどれくらい怒るか実験したりと充実の日々を送り無事帰還、宇宙での日々は最高で、明日にでもまたステーションに戻りたいような気持ちだが、私はもう出入り禁止だそうだ。

傷心のまま戻った東京は春、桜が満開。それでお花見に出かけ冷たいコーラをがぶ飲みしたらたちまちお腹を壊し、でも周囲にトイレは見当たらず、こんなときこそストッパと思ったけれどあいにく宇宙で使い切っていて、とりあえず食べかけのギョニソーを栓がわりにおしりに突っ込みトイレを探してダッシュ、どうにかもらす前にたどり着いたものの、今度はギョニソーがワインのコルクのようにしっかりはまってしまいびくともせず、出したいものが出せなくなり救急搬送、病院でギョニソーの摘出手術を受けるはめに。

医者にはしばらく安静にと言われたが、大切な約束があるので一路大阪へ。あまり詳しいことは書けないのだが、知人の知人の仕事の関係、とかそんな感じのつてで、ある人に会うチャンスを得たのだった。ひと目会って「応援してます」くらい言えたら満足、と思っていたのに、なんとちゃんと紹介までしてもらい、いや、と言ってもさすがに「カジオログっていうふざけたブログみたいなのをやってるkajidaisanjiです」などと本人に名乗るわけにはいかないから本名だけを名乗ったけれど、少しだけ会話を交わすこともでき、最後にしっかりと握手をして帰ってきた。

帰りの新幹線で、この右手一生洗わないぞ、などと感動の対面を思い出していたら、いろんなところの緊張が解けてうんこをもらしそうになり、車内のトイレに駆け込んで全て排出、すっきりして手を洗いかけてちょっと考え、やっぱり洗わずにおいて、その右手で今、こうしてキーボードを打っている。

そんな私もこの春から中学生だ。


改めて説明する必要もないけれど、嘘である。4月1日、エイプリルフール。今日は嘘をついてもいい日だというので、思う存分嘘を書いてみた。でもよく考えてみれば私はいつも嘘ばかり書いており、エイプリルフールどころか年中フールなわけで、だからいくら嘘を書いてもあまり目新しさはないのだった。そこで私は考えた。

「逆に今日だけは本当のことを書いてみる」

ということで、上に書いたことのほとんどは嘘だけれど、あり得ないような話の中に、ひとつだけ本当の話が混ざっている。どれがそうなのかとか、どうやったら会えるのかとか、その右手で間接握手してくれとか、そういう質問やリクエストには残念ながら答えられない。っていうか、答える必要はない。

答えは全て、今回のタイトルに書いてあるのだから。

アメリカザリガニ入りロシア

家の者が買ってきた「ダイジェスティブ・チョコビスケット」を一緒に食べていたら、ビスケットの全粒粉がのどにつまり、げほげほと激しくむせてしまった私に、家の者が心配そうに言った。

「ダイジェスティブ?」

どうにかダイジェスティブ。

ところであまりダイジェスティブじゃなかったのは加地さんで、Jの開幕、さらに直後のACL初戦にも間に合わず、30日のホーム東京ヴェルディ戦が復帰の目安ということで、だからその前のアウェイジュビロ磐田戦や、やはりアウェイのACL全南ドラゴンズ戦、そして代表のW杯予選、これまたアウェイのバーレーン戦にも加地さんは帯同しないのだろう。

まあ、もう売っていないことを知らずに静岡県中を走り回ってのっぽパンを探したり、慣れない韓国・光陽の街を빵(「ッパン」=韓国語でパン)を求めてさまよったり、ピッチでは出番はなくホブズ(アラビアパン)を買いに行く係専任でバーレーンに行ってもしょうがないしな。今はあせらず怪我を治し、次のおつかいに備えてほしい。

と、日本各地や世界のパンに詳しくなりつつある私であるが、先日近所のスーパーでこんな名前のパンを見つけたのだった。

「沖縄黒糖入りロシア」

沖縄なのか、ロシアなのか。暑いのか、寒いのか。でもそれはサーターアンダーギーにもちんびん(沖縄のクレープ)にも、はたまたピロシキにもブリーン(ロシアのクレープ)にも似ていない、黒くてでかいパンなのだった。もし加地さんがこのパンを買ってくるように頼まれても、間違って飛行機に乗らないよう気をつけて欲しい。そのへんのスーパーで売っている。

さらにネット上ではこんなものを発見。

北海道産直・原宿ドッグ

大自然なのか、大都会なのか。

J2にはこんな選手がいる。

ザスパ草津・秋葉

温泉なのか、メイド喫茶なのか。
メイド温泉か。

「お帰りなさいませご主人様、お風呂になさいますか?」

なさいまスティブ。

僕打撲

G大阪加地さん開幕絶望、太もも打撲松葉づえ (日刊スポーツ)
右太もも打撲の加地さん、松葉杖姿…8日J開幕G大阪に衝撃 (スポーツ報知)

無力感を感じずにはいられない。記事中の「加地」を「加地さん」に書き換えたくらいではこのショックは少しもやわらぎなどせず、私のくだらないスクリプトなど何の役にも立ちはしないことを思い知らされたのだった。ちくしょう。でもささやかな抵抗だ。これでどうだ。

javascript:with(document.body)innerHTML=innerHTML.replace(/加地さん|加地亮|加地/g,'加地さん').replace(/杖|づえ/g,'ガニ');undefined;

「クラブハウス」の意味もちょっと違って見える。

とにかく加地さんに蟹、じゃなく、鶴。

ガスだけに

これはバチが当たったんだな。

トイレにこもりながら、私はそう考えていた。前回の、突然の突然のうんこの話を書いたその日の夕方、本当に私は突然のうんこに襲われたのだった。幸い電車の中ではなく、すぐにトイレに行ける場所だったので大惨事は免れたが、やはり前回うんこをまき散らしたから、じゃなかった、うんこネタを書き散らかしたりしたから、バチがあたったのだ。私は深く反省し、もううんことか下品なことを書くのはやめようと誓ったのだった。

そして今日、Jリーグ開幕を目前にひかえた加地さんの情報はないかとスポーツ紙のサイトなどを巡回していると、こんな記事が目に飛び込んで来たのだった。

キング加地→ウ〇コちゃんルーカス…G大阪「東京ライン」完成

加地さんまでもがうんこネタ。いや、でもよく記事を読めば、「キング(加地の愛称)だけは、ボクのことをウ○コちゃんって呼ぶんだ」と語っているのはルーカスであって加地さん本人ではないし、そもそも見出しに「ウ○コ」を持ってくるスポーツ報知の記者も記者である。でももうそれならばいっそのこと、「盤石の“東京ホットライン”が開通気配だ」なんて書かずにこう書いたらよかったんじゃないか。

「軟弱な“うんこホットライン”が開通気配だ」

早くストッパ飲まないと。っていうか詰めないと。

ところで今回の記事に限らず、スポーツ紙の記事などでは加地さんは「加地が」とか「加地亮の」と書かれており、まあそれが当たり前なんだけど、例えば「加地のクロスを」と「加地さんのクロスを」とでは受ける印象が全く違い、できればスポーツ紙も「加地さん」という表記で統一してほしいのだが、まあそれも難しいと思うので、「加地」を「加地さん」に変換するスクリプトを作ってみた。

javascript:with(document.body)innerHTML=innerHTML.replace(/加地さん|加地亮|加地/g,'加地さん');undefined;

スクリプトを丸ごとコピーし、加地さんの記事を表示しているブラウザのアドレス(URL)欄にペースト、移動ボタン(もしくはEnterキー)で、どこかよそよそしかった記事が、あっという間に親しみやすい「僕らの加地さん」の記事に。

(おまけ) ブックマークレット

ストッパ

突然の突然のうんこの話である。

「突然の」を2回繰り返したのは、「突然ですみませんけど、突然に私を襲ううんこの話をしますよ」という意味で、私はあまり胃腸が強いほうではなく、ちょっと食べ過ぎたりするとすぐにお腹をこわし、電車内でピンチを迎えることも多く、そんな話をここにも何度か書いた()。

そんな私が以前から気になっているのは、ライオンの「ストッパ下痢止めA」である。気になりつつもまだ試したことはないのだが、CMでは電車の中で急な下痢に襲われた男性がストッパを飲み、それを止める様子が描かれている。本当にこんなふうに効くのだろうか。効くのならぜひ買って携帯しておきたいが、でも本当に効くのだとしても、CMのように混んだ電車の中で、青い顔をした私が慌ててストッパの箱を取り出し、一錠飲み下したとしたら、周囲の人は絶対にこう思うのではないか。

こいつ、うんこもらすかもしれない。

人前でストッパを飲むということは、私は今下痢です、のっぴきならない状況です、と公言しているようなものだ。万一ストッパが効かなければやがて大惨事。どんなに混んだ電車でも、私の周囲半径1メートルからは人がいなくなるだろう。

ライオンのサイトにあるQ&Aのページには、「早い人で10分程度から効果が現れはじめます」とあるが、10分で間に合うだろうか。兆候を感じた早目の段階で飲めばいいのだろうけれど、もう本当にぎりぎりの、最後の砦でなんとか持ちこたえている状態になってから飲んでも間に合わなそうである。経験的にも、一瞬でも気を、っていうかおしりの筋肉を緩めたら大惨事、というあの状況が、薬を一錠飲んだくらいで治まるとはとても思えない。そこまで追い込まれてしまったら、ストッパのもっと別の用法を考えたほうがよさそうである。

ストッパで止める。物理的に。

飲んで止めるのではなく、詰めてせき止める。「栓」である。これなら薬の成分が効き始めるまで10分も待つ必要はない。即効である。もちろん、混んだ電車の中で、青い顔をした私が慌ててストッパの箱を取り出し、一錠「栓」をしたとしたら、半径1メートルどころか、車両中から人がいなくなるだろうけれど。

誰もいないなら、別にいいか、もらしても。

韓国戦、または家の者のつぶやき

試合開始前、選手が順番に握手を交わしていく場面で、それを見るともなく見ていた家の者がぽつりと言った。

「加地さんだけ誰にも握手してもらえなかったりして」

カジオログの存在すら知らないはずの家の者にまでネタ扱いにされる加地さん。

加地さんのプロフィール写真が画面に映ると、それを見るともなく見ていた家の者がぽつりと言った。

「前髪が、片方だけ、ア、アシ?アシ…」

私、「アシンメトリー?」
家の者、「アシンなんとか」

内田が相手選手との競り合いで顔面を打ちうずくまると、それを見るともなく見ていた家の者がはっきりと言った。

「かわいい顔が!」

家の者よ、お前もか。

北朝鮮戦

ほらだから言わないこっちゃない。

あれほど交通安全と言ったのに、慣れない左側通行で衝突事故、流血の大惨事。それともこれは事故ではなく、ここ数試合加地さん不足におちいっていた私たちのための、体を張ったこんなギャグだったというのか。

文字通りの出血大サービス。

そんなサービスはいらない。他にも相手選手にぶち抜かれそうになったり、すべってずっこけたりと、サイドが変わっても加地さんのサービス精神は健在であった。でもやはり左脚ではあげづらいのか、ふんわりクロスに物足りなさが残ったのは残念。

ところで加地さんが左サイドで出場したことにより、ここのところそのポジションに定着していた駒野さんは今回はベンチスタートとなった。ジーコJAPANでは加地さんとの右サイドのポジション争いに敗れ控えに回り、しかしオシムJAPANでは左サイドに活路を見出しスタメン定着、と思ったのもつかの間、岡田JAPANで右サイドのポジションを内田に奪われた加地さんにまたしても今度は左サイドのポジションまで奪われ、ついにスタメン落ち。たとえば安田とか左サイドを本職とする選手にならまだしも、2度まで加地さんに仕事場を奪われた駒野さんの悔しさはいかばかりか。そんな駒野さんが後半、途中交代で出場。

なぜか絶対に岡田監督と目を合わせようとせず、虚空を見つめたまま指示を聞く駒野さん。そんな駒野さんは、内田に代わり右サイドへ入った。気がつけば、右に駒野さん、左に加地さん。右→左→外→右と一周して戻ってきて、15ゲームみたいに加地さんとポジションを入れ替わった駒野さんであった。

次戦中国戦、加地さんが立っているのは、右か?左か?麺包(ミェンパオ)を求めて並ぶ行列の中か?

直前で麺包が売り切れ、肩を落としとぼとぼ帰る加地さん。

「エ、売リ切レ?」

左側

思いがけない展開になってきた。加地さんが左サイドで先発するかもしれないという。岡田監督はいったい何をたくらんでいるのだろうか。

左サイドでフリーでボールを受けた瞬間、長年やってきたタッチラインを右手に見て駆け上がる動作が体にしみついており、思わず味方ゴールへ向かってドリブル開始、慌てて止めにきた中澤をひらりとかわし中へ切れ込んで右足一閃、練習の成果無回転シュートがゴールネットに突き刺さり、川口ににらまれる加地さん。

あ、そっか、今日は左サイドやった。今度は慎重に、左手にゴールラインがあることを確認してからドリブル開始、相手DFをひらりとかわし、ゴール前へピンポイントふんわりクロス、そのゆくえを見とどけようと顔を上げた加地さんが見たものは、いつもと違う景色だった。

バックスタンドに落下していくふんわりクロス。

ドリブルしているうちにまたもや左サイドにいることを忘れ、ゴール前とは逆のピッチ外へクロスをあげてしまった加地さん。

そんな大惨事を演出しようというのか。加地さんの左サイド起用は、大阪出身の岡田監督ならではの“前フリ”なのだな。そのほかにも、試合中うっかり右サイドに戻ってしまい内田に寄り添って行ったり来たりするとか、ピッチの中から外に向けてスローインしてしまうなどのボケを加地さんから引き出そうとしているのに違いない。

でもいざ試合が始まってみたら何事もなく右に内田、左に駒野さん、という可能性もなくもなく、だとしたら岡田監督が練習で加地さんを左サイドで起用した理由はもっと別にあるということになる。

中国では歩行者は左側通行。

麺包(ミェンパオ)を買いに行くとき、加地さんがつい日本の感覚で道路の右側を走り、事故にあったりしないための練習。左見て右見て左。交通安全で頑張れ、加地さん。

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