安田っぽく言うならば、放置プレイしてしまった。ちょっと、色々あったのだ。色々ある中、UAE戦とベトナム戦はTV観戦したものの、ベトナム戦は録画やキャプチャができず、ベンチを囲むアクリル板越しに橋本がアップになったカットを捕獲できなかったことが悔やまれる。
UAE戦。クロスをあげるのかあげないのか、戦前はあいまいな態度に終始した加地さんだったが、やはりやってくれた。後半5分、中央に切り込み左足で押し出すようにやさしく蹴られたボールは、湿気をたっぷり含んだ空気をかき分けるようにふんわりと舞い上がり、美しい軌道を描いて直接ゴールラインを割ったのだった。敵も味方も見とれることしかできない、完璧なふんわりクロスだった。
前半にもいいクロスがあったが、ややふんわり感に欠け、直線的にあがったそれを遠藤はうまくよけたものの、高原の胸に当たってしまったのが残念だった。
ロカビリー。もしくは虎舞竜。
23番を忘れたら、22番してくれるっていうので、11番。
ベトナム戦。PA内でバウンドしたボールをかぶってしまいクリアしそこねたり、親切心からつい相手選手にパスしてしまいあわや大惨事の事態をまねき川口に思いっきりにらまれたりしている加地さんを見、家の者がぽつりと言った。
「加地さんにはついてないね、ヤタガラス」
これはアジア杯開幕直前に中村俊輔が「オーラの泉」に出演した際、江原啓之に「背後にヤタガラスがついているのが見える」と言われたことを受けた発言だが、では加地さんには一体何がついているというのだろうか。
「ハシブトガラス」
しかも数十羽。朝のゴミ捨て場で半透明ゴミ袋をつつくかのごとく、加地さんの無透明金玉袋を、ってイテテテ。違う。加地さんは生ゴミじゃない。
「板ガラス」
橋本のアクリル板に透明度で対抗。割れやすいのが玉にキズ。カラスにつつかれて玉に傷。
「ヤダアキコ」
もれなく押尾学付き。
「ポッポロート」
準々決勝の相手は、オーストラリア。W杯で加地さんと対戦できなかった巨大な有袋類たちに、本物のふんわりクロスを見せつけて、よろこびっくりさせてやれ。