イエメン戦

うーん、どうなんだろう、この結果。この結果を喜ぶべきなのか。喜ぶべきなんだろうけれど、でも、やっぱり歯がゆいというかくやしいというか複雑な心境で、納得いかない気持ちもありつつも、でもとにかく、おめでとうと言いたい。

細田阿也、第1子を出産

よかったね、ちくしょう、おめでとう。

いや、そんなことより、次の恋だ。じゃなく、イエメン戦だ。試合前の報道に惑わされ、加地さんが羽生にポジションを侵略されてしまうのだと思い込み、宇宙人が攻めて来る絵など作ってしまったが、始まってみれば右サイドにはいつものとおりの平和があり、侵略され追い出されてしまったのは駒野さんであった。やはり宇宙人の前では金属バットなど無力だ。たぶんあの目でじっと見つめるだけで、バットが飴のようにとけてしまうのだろう。

そんな羽生はやはり注目を集めないわけはなく、TVや新聞にも大きく取り上げられるようになってきたし、イエメン戦の試合前にはインタビューの映像も流れた。

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インタビューに答えながら、数秒間ごとに一瞬、カメラを見る、いや、カメラの向こうの私たちに目から発する何かを届けようとする、羽生。何だ。何を送り込んでいるのだ。何かのメッセージかそれともパワーのようなものか。そして試合中も、全身からあふれ出るエネルギーがカメラに捕らえられていた。

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光っている。その姿に加地さんも釘付けである。SAISONカードの「◎」がこっちを見ているような気がするのは気のせいだろうか。

ところで、右サイドを侵略されることなく、羽生と仲良くピッチ上で共存していた加地さんではあったが、やはり警戒は解いてはいないようで、前半終了間際に放ったクロスバーをはるかに越えていくシュートはおそらく、いつだって空飛ぶ円盤なんて打ち落とせるんだぞ、という威嚇射撃だったのに違いない。

とにかくこれからも目が離せない。いや、目をそらすことが出来ない。羽生のあの目に見つめられたら。

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(おまけ) 薄いのに頑張る大熊コーチ。あ、いや、空気がね。

tabi saki yori

tabi saki demo, KAJI-san no koto ga wasure rarezu, kekkyoku koko wo koushin shite shimau no datta. mochiron koko dewa SAUDI ARABIA-sen wo miru koto wa dekinai no da keredo.

tokorode, konkai no watashi no tabi no mokuteki wa, chichi no bustudan ni senkou wo ageru koto de, watashi no chichi wa nihon-jin dakara, koko wa nihon dearu.

dewa naze ROMA-ji de utte iru no ka to iuto, "nihon-go kankyo no nai, kaigai no NET CAFE kara koushin shteru" ppoi kana, to omotte.

面倒なので、っていうか読むのが面倒に違いないので日本語で書くことにすると、つまりここは私の実家だ。だから旅って言うか、帰省。夏休みとは帰省であり、帰省とは夏休みである。

仏壇に線香をあげ、コーラではなくビールを供えてしまうとあとはやることもなく、念のためTV欄を確認したがやはりこちらでの放送はないため、しかたがないので子どものころにあそんだおもちゃのブロックで加地さんを作り、今夜の私なりの応援とする。

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がんばれ、加地さん。完成直後に姪っ子がひっぱって首と右脚がもげたのが何かの不吉な兆候じゃないことを、遠く日本の片隅から祈っている。

大問題

そんなわけで大声で変な替え歌を歌う大人となった私は今、歌うのだった。

「大問題、大問題、だーいもーんだーい」

いや、これは替え歌というか空耳か。MAXが昔歌っていた、たぶん「Ride on time」という曲のサビの部分だ。この曲を聴いた当時、「Ride on time」という歌詞が「大問題」に聞こえ、それ以来私はいまだに何か解決が困難な事態に直面すると、ついこの替え歌を歌ってしまうのだった。

それで何が大問題なのかと言えば、日本代表のサウジアラビア戦である。いや、加地さんが無事メンバーに選出され、遅刻もすることなく飛行機で飛び立ったことは問題どころかほっとひと安心なのだが、その試合をTV中継する局がテレビ東京に決まり、そしてその日私は今さらながら短い夏休みというかなんというかで東京におらず、加地さんの試合が観られなくなってしまったのだ。これを大問題と言わずしてなんと言おう。

もちろん試合の結果はネットやニュース番組で確認できるし、ビデオのタイマーをセットして出かければ帰ってきてから思う存分加地さんの勇姿を楽しむことはできるが、でも試合後すぐにカジオログを更新することができないし、そしてそんな時に限って、加地さんが何かやらかしてくれそうな気がしてならないのだ。

いや、ハットトリックをやらかすとかならニュースでも映像が流れるし、アシストを決めたり、逆に開始2秒で一発レッドをくらってもそれらは全て公式の記録として残るから別にいい。もっと別の、記録には絶対に残らない、でも見逃してはならない加地さんのプレイ、例えば試合の合間に見せる百面相とか、って百面相はプレイなのかはよく分からないけど、金玉ブロックに備えて金玉のポジションを微調整する姿とか、羽生に見つめられて一瞬金縛りにあったかのように動けなくなってしまう姿とか、ふんわりクロスが直接ピッチに落ちるポトリという音の美しい響きとか、そういうものをリアルタイムで観、聴き、その感動や興奮をすぐにここに書くことができないのはとても残念だ。

でも加地さんには私が観ていないからといって遠慮しないでもらいたい。ってしないだろうけど、とにかく大賛辞でも大惨事でも大問題でも巻き起こし、深夜眠い目をこすりながらTVを観ている人たちを、後日ビデオで観ている私を、思う存分楽しませてくれ。

二人の絵日記

■8月31日(木曜日) 快晴

日差しは強いが風の涼しさに秋の気配。夏休みも今日で終わり。

kajidaisanji成長の夏。もう一人でなんでも出来る。「ちんちん」や「金玉」が大好きなのは相変らずだが、でもちんちんが大好きなまま大人になるのもいいだろうし、大声で変な替え歌を歌う大人でもいいと思う。ただ、夏という季節を、暑くて鬱陶しいやり過ごすだけの季節と感じ、ぼんやり恨めしそうに太陽を見上げる、そんな大人にだけはならないでほしい。いくつになっても、夏の香りの風に今年の夏は何かやらなきゃと心せかされ、太陽と競い合うようにめいっぱい遊び、それでも夏の終わりには何かやり残したような寂しさを感じながら往く夏を惜しむ、そんな大人になってほしい。

そのために必要なのはたぶん、子どもの頃の夏休みの思い出だ。大冒険とかじゃなくていい。むしろもっと日常のささやかな、でも何十年経っても一瞬で少年に戻れるような、大切な思い出がどれだけあるか。

だから忘れないでほしい。満員の虫かごを。女の子の浴衣の襟足を。ふんわりクロスを真似て蹴ったボールが浮かぶ空の青さを。まるごと地面に落として割れたスイカの赤、海水パンツを忘れて泳いで体にまとわり付く白ブリーフの感触、水温、歓声、水面に漂う昆虫の羽。

ガリガリ君を勝手に食べたことは、ごめん、忘れてくれ。そう、私のことなど忘れてもいい。たくさん笑ったこの夏を、覚えてさえいてくれれば。

そろそろ時間だ。

またいつかの夏、枝豆とコーラで乾杯しよう。

■8月31日(木よう日) はれ

きょうは、朝おきたらかじさんが日本代表にえらばれていてうれしかったです。

それから、ラジオたいそうのスタンプカードを作りました。えいじ君のをかりてスキャナーでとりこんでぎぞうしました。えいじ君にぎぞうの方を返したけどばれなくてよかったです。

夕がたれいぞうこをあけたら、アイスが100こくらい入っててびっくりしました。ガリガリ君を食べました。たたみのおへやで食べようと思ったら、かじさんの絵がおちてました。とてもじょうずでした。さくしゃはふめいです。

ひさしぶりにお仏だんにおせんこうをあげました。あと、コーラもあげました。おりんを2回「ちんちん」とならしました。

風がふいて、ふうりんが2回「ちんちん」となりました。

たくさんあそんでたのしい夏休みでした。

また別の絵日記

■8月28日(月曜日) 曇り時々晴れ

起きたら既に「いいとも」。あやうく寝過ごすところ。室井滋の「ホタルイカ音頭」を堪能。「純情きらり」を観てからもうひと眠り。

起きて、公園にて商い。新作数点。通りかかった女の子、号泣。結局一枚も売れず。帰宅しパピコ。

kajidaisanjiは一日中夏休みの宿題。「ラジオ体操のスタンプどうしよう」と泣く。カードにはスタンプゼロ。朝が弱いのは遺伝か。

夜、秋の虫の声。kajidaisanjiの夏休みもあと数日。私たち親子の夏も、もうすぐ終わる。

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グランパス戦

0−2とリードされた前半32分、右サイドからのアーリークロスを播戸がボレーで合わせてゴール!クロスをあげたのはもちろん…あ、違った、二川だった。

その後1点ずつ取り合って2−3で迎えた試合終了間際、右サイドからふんわりあがったクロスは交代出場の中山の頭にピンポイントで落下、ヘディングで同点ゴール!クロスをあげたのはもちろん…え、なんで宮本が。

もちろん試合中右サイドから何度もクロスをあげた加地さんだったが、そのどれもがシュートに至らなかったり、敵も味方も誰も触れなかったり、相手DFの頭を経由したサイドチェンジだったりと、直接ゴールには結びつかないものだった。

優しくて控えめな加地さんは、二川はまだしも、宮本にまで右サイドからのアシストの喜びを体験させてあげるべく、ここぞというところのクロスを譲ってあげたのかもしれない。もしかして加地さんは、チームメイト全員にその喜びを知ってほしいと考えてるのだろうか。だとすれば、次に加地さんのクロスからゴールが生まれるのは、ほかの全員がひととおり右サイドからアシストを決めた後なのか。そんな。

じゃあ早めに頼むよ、藤ヶ谷。

加地SUN

すいきんちかもくどってん加地さん。

「矮惑星」ならぬ「矮代表」に格下げにならないように、輝き続けろ、加地さん。

いや、そんな心配は無用だ。だって加地さんは、我々に癒しや、元気や、勇気や、希望や、笑いや、そんな、生きるための力を与える光を放つ、太陽なのだから。

斎藤君

高校野球は終わったのにいまだにTVなどでその話題を目にし、それは主に早実のピッチャー、斎藤佑樹君についてである。

記者会見で将来について聞かれた斎藤君は、「野球関係の仕事に就ければ」と答えており、普通に考えればプロ野球選手という意味だろうが、でも「野球関係の仕事」は選手以外にもたくさんあり、斎藤君の将来の夢がこういう職業である可能性も否定できない。

バット職人。

最高の振り心地を提供するバットを作りたい。斎藤君がそんな夢を抱いてないとは、言い切れないじゃないか。

しかしその直後、記者の「メジャーは?」という質問に「興味はあります」と答えたので、それはやはり私の思い違いであった。いずれ、本場アメリカで、なるのだな。

ものさし職人。

「メジャーっていうか、ものさしとか、測るもの全般に興味がありますね。特にコンベックス。一般には巻尺って言いますけど、最高の測り心地を提供するコンベックスを作りたい。そのために、本場アメリカで勉強したいです」

巻尺の本場がアメリカなのかは分からないが、でもよく考えたら最初に「野球関係の仕事」と言っているのだから、斎藤君が作りたいのは巻尺というのも私の思い違いだ。

バット職人用ものさし職人。

また、斎藤君といえば例の青いハンカチが話題で、それにしてもこんなにも話題になったのはあれが青いハンカチだったからで、たとえばこんなものだったら違ったはずだ。

白いブリーフ。

ポケットからおもむろに白いブリーフを取り出して汗を拭く斎藤君。記者の質問に、「ハンカチが洗濯できなくて仕方なく使った試合で勝ったんで、次からもゲン担ぎっていうか、ブリーフだけにウンもつくかな、なんて」。それでも、あれはグンゼだいやBVDだと話題になっただろうか。しかしウンもつくかな、ってひどい駄洒落で、そこまで言うならこうすればいいのだ。

白いブリーフ。うんこ付きの。

ポケットからおもむろに白いブリーフを取り出して汗を拭く斎藤君。心なしか、一部が汚れているように見える。その後、なんとなくパスボールを連発するキャッチャー。
っていうか、うんこ付きのブリーフをわざわざポケットに入れておくなら、これでいいんじゃないのか。

白いブリーフ。今はいている。

ベルトを外し、おもむろにズボンを下ろす斎藤君。はいていた白いブリーフを脱ぎ、小さく折り畳んでさわやかに額の汗をぬぐう。

その時斎藤君は、マウンドの上にいながらにして、バッターだ。

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