うーん、どうなんだろう、この結果。この結果を喜ぶべきなのか。喜ぶべきなんだろうけれど、でも、やっぱり歯がゆいというかくやしいというか複雑な心境で、納得いかない気持ちもありつつも、でもとにかく、おめでとうと言いたい。
よかったね、ちくしょう、おめでとう。
いや、そんなことより、次の恋だ。じゃなく、イエメン戦だ。試合前の報道に惑わされ、加地さんが羽生にポジションを侵略されてしまうのだと思い込み、宇宙人が攻めて来る絵など作ってしまったが、始まってみれば右サイドにはいつものとおりの平和があり、侵略され追い出されてしまったのは駒野さんであった。やはり宇宙人の前では金属バットなど無力だ。たぶんあの目でじっと見つめるだけで、バットが飴のようにとけてしまうのだろう。
そんな羽生はやはり注目を集めないわけはなく、TVや新聞にも大きく取り上げられるようになってきたし、イエメン戦の試合前にはインタビューの映像も流れた。
インタビューに答えながら、数秒間ごとに一瞬、カメラを見る、いや、カメラの向こうの私たちに目から発する何かを届けようとする、羽生。何だ。何を送り込んでいるのだ。何かのメッセージかそれともパワーのようなものか。そして試合中も、全身からあふれ出るエネルギーがカメラに捕らえられていた。
光っている。その姿に加地さんも釘付けである。SAISONカードの「◎」がこっちを見ているような気がするのは気のせいだろうか。
ところで、右サイドを侵略されることなく、羽生と仲良くピッチ上で共存していた加地さんではあったが、やはり警戒は解いてはいないようで、前半終了間際に放ったクロスバーをはるかに越えていくシュートはおそらく、いつだって空飛ぶ円盤なんて打ち落とせるんだぞ、という威嚇射撃だったのに違いない。
とにかくこれからも目が離せない。いや、目をそらすことが出来ない。羽生のあの目に見つめられたら。
(おまけ) 薄いのに頑張る大熊コーチ。あ、いや、空気がね。