オーストラリア戦直前

勝つことが困難に思える戦いでも、あきらめず立ち向かうことが大切であり、また、多くの同じ戦いに挑む仲間がいることを知り、励まされる。ストパー作戦、北海道移住作戦、4年前のジダンの髪型作戦、パーマかけてるふりヘア作戦など、皆それぞれの方法で強敵と渡り合っているのだな。何の話かって、もちろん天然パーマと湿気との戦いの話だ。私も負けずに戦おうと誓ったのだった。

ところで間近に迫ったまた別の戦い、W茶碗の日本の初戦であるオーストラリア戦は加地さん欠場、代わって駒野さんが先発するようである。まあ、しかたがないな。怪我は順調に回復しているようだし、主役登場はもう少し先ということで。

しかしこうなったら、ジーコJAPANには絶対にオーストラリアに勝ってもらわなければ困る。それはグループリーグ突破のための大切な初戦だから、ではない。私は観たくないのだ。加地さんがいないせいで負ける、そんな試合を。どうせ負けるなら、私が観たいのは、逆だ。

加地さんのせいで負ける。

ふんわりクロスはことごとくはね返され、もしくはポプラの綿毛とともに風に乗ってスタジアムの外まで飛び出し、弾丸ミドルはポストにとまった蚊を退治しまくり、守備では右サイドをちんちんにされ、あげくドイツ戦の柳沢のようにユニフォームを裂かれ、ただし加地さんの場合パンツで、社会の窓どころか社会の壁崩壊、ドイツの地で日本製ソーセージを世界に向けてアピール、ケチャップのように真っ赤な一発レッド。そんな大惨事のフルコースで、私たちに何度も何度も「加地さーん!」と絶叫させてくれるような負け試合。

だから駒野さんには頑張ってもらいたい。今さらジーコJAPANの右サイドに必要なものに気がつき、「優しさ」や「癒し」で勝負しようとしても無理だ、その顔じゃあ。だから駒野さんは駒野さんの武器、必殺のクロスだか金属バットだかで、サッカコアラだかサッカウォンバットだかサッカワラビーだかよくわからないが有袋類どもをやっつけてやれ。こっちだって袋くらい持ってんだ、ぶらんぶらん。

でもまあ、難しい注文だけれど、できればクロアチア戦で加地さんが戻ってくるポジションがある程度の、ほどほどの活躍でひとつ、よろしく。

その日

一夜明けてしまったが、ついに、その日が来たのだった。正直言って、この日を待ち望んでいたのかと聞かれればそうとは言いきれず、1日でも2日でも、もう少し待ってもらえないかという気持ちでいたのは私だけではあるまい。同じ思いだろう、日本全国の、私と同じ天然パーマの人たちは。

関東地方、ついに梅雨入り。

あーあ、髪型がね、湿気でどうにも決まらないんだよこの季節、って違うか。そうじゃない。っていうか、私の髪型なんか全くどうでもいいのだった。

その日といえば、ドイツW杯も、ラームのすごいシュートで幕を開けたのだっちゃ。まあ、加地さんが出てくるまではそれは「W杯」と呼ぶのにふさわしいとは思えず、今のところそれは、W杯に似た、別の何かだけれど。

W湯呑み。
Wお猪口。
Wマグカップ。
W桶。
W洗面器。
W喫茶店とかでアイスクリームが入ってくる器。

ところでNHKの実況では、ドイツのノイビル選手を「ヌビル」と呼んでいた。私は「ヌビル」の方がいいな。

問題:身長171cmのヌビル選手、これから身長は?

答え:もうぬびない。

とにかくこれから1ヶ月、熱い戦いが始まる。私の髪と、湿気の。

おりがみえほん「みんながついてる」

加地さんはワールドカップに出たいと思いました。
「僕のじまんはスタミナだ。ドイツまで走っていこう」

しばらく行くと鶴さんに会いました。
「背中にのせてあげましょう。ドイツまでひとっとびですよ」
「ありがとう。でも僕は自分の力で行きたいんだ」
「それじゃあ応援のためにおともします」
鶴さんは加地さんのあとに続きました。

またしばらく行くとカエルさんに会いました。
「背中にのせてあげましょう。ドイツまでぴょんぴょんいけますよ」
「ありがとう。でも僕は自分の力で行きたいんだ」
「それじゃあ応援のためにおともします」
カエルさんは加地さんと鶴さんのあとに続きました。

それからもたくさんのどうぶつたちが加地さんの応援にかけつけました。
みんないっしょにドイツをめざします。

ドイツまでもうすぐのところで、なにかが近づいてきました。
どしん、どしん。

「うわー、きょうりゅうだー」「にげろー」
「ちょっとまって。なんですか、きょうりゅうさん」
「おれも加地さんを応援したいんだ。なかまに入れておくれよ」
「もちろんさ、一緒にいこう」
「ありがとう」
きょうりゅうさんはみんなのあとに続きました。

しばらくして加地さんがふりかえると…。

「あーうまかった。
加地さん、甘いよ。
この世は弱肉強食、やるか、やられるかだ。
やさしさを見せたら負けなんだよ。
悔しいかい。その悔しさと怒りを、ワールドカップにぶつけてみろよ。
さあ行け、がおー」

加地さんは泣きながら走り出しました。
「ちくしょう、みんなのかたきは僕がうつぞ。
ワールドカップの相手は全部やっつけてやる」

「もういいよ」
きょうりゅうさんが言うと、隠れていたどうぶつたちが出てきました。
「ちょっとやりすぎたかな」
「いいんだよ。加地さんの唯一の弱点はやさしすぎることなんだ」
「加地さん、活躍するかな」
「するさ、きっと」

がんばれ加地さん、みんながついてる。

加地さんがいない

加地ちゃんが歩いた。え、生後何ヶ月かでもう歩いたのか。いや、違う。加地さんが歩いた。とはいうもののこの記事は悲観的な書き方をしており、でも、加地さんが「大丈夫です」というなら大丈夫なのだ。加地さんの言葉を信じて待とう。

ところで、先日のマルタ戦でも掲げられていたジャイアントジャージにサポーターからのメッセージを集める「共に戦うプロジェクト」のオフィシャルブログに、気になる記事を見つけた。

ドイツに突如出現した日本村@ボン
周囲にいたドイツ人たちのほとんどが持っていたのがこれ。ワールドカップに出場する32ヵ国の選手を紹介した本です。(中略)実はこの本、買ったときは選手の名前とデータだけが印刷され、写真は空白になっています。写真を埋めるには、選手の顔写真シールが入った袋(5枚入り)を買わなければいけません。つまりシールを集めて、この本に貼っていくわけです。

その本の写真がこれだ。

なるほど。おそらく5枚のシールはいろいろな国の選手が混ざって入っているのだろうから、日本チームをこれだけ集めるのは大変だっただろうな。あれ、でもひとつだけ空欄がある。足りないのは誰だろう。画像を無理矢理拡大してみる。

AKIRA KAJI。加地さんがいない。これは、何かを暗示しているのだろうか。不吉だ。こうなったらこの本の持ち主にはシールを買いまくってもらい、なんとしてでも加地さんシールをここに貼ってもらいたい。

なんて、そんなわけはないよな。一人のドイツ人のシールのコレクションが、加地さんの怪我の具合に影響するわけがないのである。だって加地さんの欄の下には、怪我で離脱してしまった田中誠がいるじゃないか。だから、関係ないのだ。加地さんが空欄なのにはちゃんと別の理由があるに違いない。

シール印刷忘れ。

シールを印刷する工場の人が、忘れちゃったんだな、きっと。だからもともと、ないのである、加地さんのシールなんて。まあそれはそれで、もっと不吉なのかもしれないけれど。

マルタ戦

加地さんも出ず、試合そのものも面白さに欠け、だからぼんやりなんとなくTVを観ており、おまけに途中で入ったニュース速報が気になりチャンネルを変えてしまったりしていた私には、マルタ戦について書けることはほとんどなく、せいぜいマルタに関する問題を出題できるくらいである。

問題:マルタで人気のサックス奏者は?

答え:キャンディ・ダルファー

問題:キャンディ・ダルファーが公演中止。理由は体がどうだから?

答え:なんとなく調子が悪ファー

問題:そんなキャンディ・ダルファーは、何をなめている?

答え:世の中

それはともかく、今回TBSは加地さん不在で落ちた視聴率を補うためか、日本でTVを観ていた私たちの「加地さん不足」を少しでも解消してくれようというのか、マルタ戦中継の後の「いのちの響」という2分番組で、加地さんを取り上げたのだった。

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カメラ目線で「加地亮です」と自己紹介する加地さん。

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たんぽぽのふんわり綿毛がよく似合う加地さん。

自分の右サイドでの無駄とも思える行ったり来たりを、「アホやからやれる」と謙遜してみせる加地さん。お願いだ、アホみたいな回復力で怪我を治し、W杯のピッチをアホみたいに走り回り、タンポポの綿毛が風に舞うようなふんわりクロスを見せてくれ。私たちがアホみたいに口をぽかーんとあけて眺め、思わず「そんなアホな」とつぶやくようなクロスを。

加地クン

気がつけば明日はもうマルタ戦である。怪我の加地さんは当然欠場だが、それにしても今週ほどニュースやワイドショーで「加地」の名前を聞いたことがかつてあっただろうか。全国のお茶の間で「加地が怪我かー。で、加地って誰?」などという会話が交わされたに違いない。

ところで、確か以前もここに書いたJ's GOALの日本代表選手紹介ページを久しぶりに見てみると、相変らず顔写真はエロスをかもし出すかのような暗めのライティングだが、クリックで詳細ページが表示されるように変わっており、クリックしてみると、それぞれのJリーグデビュー当時の写真が表示されるのだった。W杯直前の今、J's GOALの狙いはなんなんだ。選手をはずかしめようというのか。それとも私たちを笑わせようとしているのか。とりあえずせっかくなので、全部集めてみる。

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クリックで拡大

すごいな。笑える。笑えるんだけど、全体的に、なんかムカつく。なんか、ムカつくんだよ、中田浩二の含み笑いとか、小笠原の頭の形とか、土肥の微妙に傾けた首の角度とか、稲本の頭の上が切れてるとことか、青白いのとか、玉田とか。ああ、見てるとなんかイライラしてくる、W杯で私はこいつらを応援しなきゃいけないのかよ、いやだなあ、ムカつくなあ。でもそんな私のとがった心を癒してくれるのは、やはりこの人なのだった。

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加地さん…。っていうか、加地くん。いや、加地クン。少年のような、っていうか、少年である。世界相手にピッチを走り回るより、先輩に命令されてパンを買いに走るのが似合いそうな、加地少年。

しかし8年が経った今、加地さんはドイツへパンを買いに行ったわけではない。きっと復活してW杯のピッチに立ち、今度はそのプレイで世界のお茶の間の話題を独占してくれるはずだ。あ、でもソーセージ買ってくんのも忘れんなよ。

みんながついてる

加地さんの怪我に関する情報も少しずつ入ってき、骨には異常がなく右足首のねんざであること、チームからの離脱という最悪の事態は避けられそうであることが分かり、まずはひと安心である。オーストラリア戦に間に合うかどうかはまだ分からないが、1日経って、私はもうポジティブである。まあ私がポジティブになっても仕方がないんだけど、映画やドラマなら、これもクライマックスを盛り上げるためのひとつのエピソードだ。絶対に負けられないブラジル戦で満を持して加地さん復活、金星に貢献する大活躍。そんなストーリーもまたいいじゃないか。

しかしもちろん1日も早く怪我が治るに越したことはなく、そのために私ができることはなにか。なにもない。ないよなあ、俺、医者じゃないし。祈るったて、もう十分祈ったよ、なにしろ200円よけいに払ってまで祈ったんだ。それでもなにもせずにはいられない私は、鶴を折ることにした。

怪我にはやはり、千羽鶴だ。よし、千羽折るぞ。でもさすがにひとりで千羽はつらいので、家の者にも手伝わせる。「できたよ」と言うので見ると、そこには意外な生き物がいた。

セミだ。怪我に効くのだろうか、千羽ゼミ。効くのだとしても、ちょっと嫌である。セミが千羽もいたんじゃあ、ミンミンミンミン、うるさくてしかたがない。

ただの折り紙遊びだと勘違いしている家の者にあきれつつ、セミじゃだめなんだよ意味ないんだよ加地さんの回復祈願なんだからさあ、とぶつぶつ言いながら折っていると、私の手の中に現れたのは鶴ではなかった。

家の者に対抗して、ついカエルを折ってしまった。何をやっているのだ、私は。

でもまあ、要は気持ちである。加地さんの怪我以来このカジオログに寄せられたコメントの多さを見、本当にたくさんの人が加地さんを心配しているのだと分かる。みんなが回復を願えば、その願いはきっとお不動さまにも伝わり、すぐに加地さんの右足を治してくれるだろう。繰り返すが、なにしろ200円よけいに払ったのだ。

がんばれ加地さん、みんながついてる。

ドイツ戦

なんていうか、もうなんか、やる気ない。なんかもうこんなカジオログとかでしょうもないネタをこつこつ書いてても意味ないんじゃないか。もうやめようか。私のそんな無気力の原因は、今朝のドイツ戦を観た人ならおわかりだろう。

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やってくれるよなあ、柳沢。加地Tなんか目じゃない、フロント全開。なんだこれ。はっぴか。W杯というお祭りだからか。かなわないなあ、一気に加地Tが霞んでしまったじゃないか。私のくだらない発想なんて、柳沢の身体を張ったネタの前では子供だましにすぎないのだ。ああ、やる気がなくなった。

そうじゃなくて。

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加地さん加地さん加地さん。これもネタだよね、マルタ戦には何食わぬ顔で戻ってくるよね。マルタで人気の木材は?とかふざける元気も今はない。神さまお不動さま、どうか加地さんの右足を治してください、お願いします。

ばかの祈願

前回の「活躍祈願」にもたくさんのコメントをお寄せいただいたが、コメント欄全体に、なにか微妙な空気が漂っているような気がするのは気のせいだろうか。なんというか、ちょっとかわいそうな人を見ちゃった人たちが伏し目がちに愛想笑いを交し合っているような雰囲気というか、その雰囲気を一つの言葉としてはっきり書くならば、「kajidaisanjiって本当にばかなのか?」。

え、そんなにばかにされることでしょうか、値段を間違えたことが。だってそもそも間違えたのは絵馬を売ったお札場の人だし。そうではなくて、200円ごときで悔しがっている貧乏な私のことを憐れんでくれているのか。それとも、値段を間違える以外に何かしでかしちゃったのだろうか。念のためもう一度全てを読み返し、写真の中の絵馬をじっくり見る。あ、え、嘘。やってしまった。ごめんなさい、そうです、私、ばかです。200円とかそれ以前に、私はとんでもない失敗を犯していたのだった。

住所の欄に、URLを書くべきだった。

そうだよなあ、「住所 カジオログ」っておかしいよなあ、カジオログはこのブログのようなものの名前であって住所じゃない。このブログのようなものの住所といえばURLなのだから、「住所 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kajidaisanji」と書くべきだったんだよ、ああ、なんて俺はばかなんだ、とんでもない恥をさらしてしまった。難しい漢字が書けることをちょっと自慢するような気持ちもあったのだが、別なところでばかがばれてしまった。とんだ裸の玉様だ。お不動さま、こんなばかの願いでも聞き入れてくれますか?

私がそんな醜態をさらしているうちに、今夜というか明朝というか、早くもドイツ戦なのだった。加地さんは当然先発だろう。だからドイツに関する問題を出題しておかねばなるまい。

問題:カーン選手がビールを飲むのは缶?瓶?

答え:大ジョッキ

問題:バラック選手が好きな豚肉は?

答え:ミミガー

問題:クローゼ選手が洋服をしまっておくのは?

答え:ファンシーケース

問題:アサモア選手はいつ起床する?

答え:目覚まし止めて二度寝してお母さんに起こされて、やっと。

問題:ケール選手はボールを…?

答え:磨ーく

そんなことより問題は、明日の朝ちゃんと起きれるかだ。絵馬に「朝起きれますように」って書けばよかった。お母さんに起こしてもらおう。

活躍祈願

深川不動堂でJFAオフィシャルの「サッカー絵馬」を奉納できるというので出かけてみた、っていうか深川不動堂ってどこだよと思ったら門前仲町らしい、っていうか門前仲町ってどこだよ。

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なんとかたどり着いて足を踏み入れると、いきなりJFAのマーク入りの絵馬掛所が設置してあるのだった。同じマーク入りの絵馬がすでにいくつか掛けられている。これか。よし、私も早速奉納して、加地さんの活躍を祈願しよう。お札場で購入する。え、700円もするのか。高いな。いや、でも700円で加地さんが活躍するなら安いものだ。購入し、その場で願い事を記入する。

「加地大賛辞」と書きかけたが、ちょっと違うのではないかと思い、筆を止めた。筆っていうか油性ペンだけど。賛辞とはプレイに対して贈られるもので、祈願するものではない。絵馬には加地さんにどんなプレイをしてほしいかという願いを書くべきで、そうなればやはりふさわしいのはあの言葉しかないだろう。あの、加地Tのデザインにもなっている、加地さんの信条とでも言うべき、難しい漢字の、私が読めない、あれである。

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難しい漢字をなんとか書き終え、願いを込めつつ掛所にしっかりと結びつけて帰ってきたのだが、今これを書きながら、私はとんでもない失敗に気がついたのだった。あり得ない、痛恨のミスである。

絵馬は本当は500円だった。

さきほどリンクした絵馬のページに、「各500円」とはっきり書いてある。700円というのはその上の、サッカーお守りの値段だ。お札場の人が値段を間違えたのだ。私は素直に千円札を出し、お釣りを300円だけ受け取って帰ってきてしまった。なんてこった、200円もの損である。

もうこうなったら、加地さんには200円分よけいに活躍してもらわなければ納得できない。200円分がどれくらいの活躍なのかはよく分からないけれど、頼みますよ、お不動さま。

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