柳沢が中足骨骨折で全治2カ月だという。
おんぶされる柳沢。この表情からはW杯出場が危ぶまれる危機感は感じられないが、これはおそらく試合直後の写真だから、まだ骨折とはわかっていないのだろう。柳沢の表情はさておき、私たち加地さんサポーターがこの写真を見て考えなければならないことは、今もし加地さんも怪我をしてしまいW杯に出られないなんてことになったら、私たちは何を楽しみにしてW杯を観戦すればいいのか、などということではない。
加地さんをおんぶしたい。
したいなあ、加地さんを、おんぶ。母性本能の強い女性なんか特にそう思うのではないか。足を怪我して歩けない加地さんをおんぶして、大丈夫だよ、とか声をかけながら運んであげたい。あ、でもおんぶなんかしちゃったら背中に加地さんのバナナボートが当たっちゃって恥ずかしいわ。赤面。
もちろん逆に、加地さんにおんぶされたいと思う人も多いはずで、確かに加地さんが子どもをおんぶするところなど想像すると、それは「平和」とか「安らぎ」とか、そういう言葉を映像化した場面のように思われ、無垢な子どもに戻って、加地さんの広い背中におんぶされ、何もかも忘れて加地さんの歌う子守唄を聞きながら眠りたい、仕事や人間関係に疲れた私たちは、ふとした瞬間にそんなことを想像し、我に返り、苦笑し、それでもやっぱり自分の足で歩いていくしかないんだと、顔を上げてまた、歩き出す。