エロスな加地さん(2)

でも個人的にはエロスな加地さんもちょっと見てみたい気もし、加地さんに少しばかりのエロスを加味すれば今以上にもっと女性からの人気が出るのではないかと、加地さんのエロス開花を諦めきれない私で、そのためにできることを考える。例えば加地さんの自宅に忍び込み、タンスの中の全部の白いシャツの、第3ボタンまでをもぎ取っておくというのはどうだろう。加地さんの鍛え上げた胸がいやでも露出され、エロスが増すのではないか。でもダメだ、私にはできない。私は加地さんの転居先を知らないのだった。

私に出来ることといったら、きっかけを作ることくらいだ。恋なんて意外ときっかけ次第みたいなとこ、あるじゃん。全然気にしていなかった異性が、突然夢に出てきたとか、廊下でぶつかったとか、サッカーの試合でシュートを決めるのを見たとか、そんなちょっとしたきっかけで妙に気になりだして、気がつくとつい目で追っていて、眠ろうとして目を閉じたらあいつの顔が浮かんできて、がばっと起きて、「これって、恋?」心臓どきどき、みたいな。

加地さんからエロスを感じ取るきっかけを提供する。それくらいなら私に出来るかもしれない。でも、エロスな加地さんなんて加地さんじゃない、という人もいるかもしれないのでリンクにしておく。そういう人は見るべきではないだろう。エロスな加地さん

どうだろう。エロスを感じ取れただろうか。ただちょっと心配なのは、それを感じ取れた人はもしかすると、加地さんと同性の人かもしれないということで、だとすると私の思惑とは少し違ってしまうものの、でも加地さんに恋する人がひとりでも増えるのはいいことなのでよしとする。

加地さんは、負けないよ。(1)

テレ朝「激論バトル!!朝まで日本サッカー応援宣言」。テレ朝でお馴染みというかうんざりというかのセルジオや松木だけではなく、NHKの井原や日テレの北澤、安藤アナとのやりとりでいまだにびくびくしているフジの永島など各局の解説者が集合、なんで俺たちが中西に仕切られなきゃなんねえんだよ、という感じの微妙なムードを漂わせつつ、番組は進行。その中で、W杯初戦のオーストラリア戦のベストメンバーをそれぞれが発表するというコーナーがあり、例えば井原のそれはこうだった。

4バックの右は加地さんだ。井原はその前のコーナーで「加地はコンフェデでヨーロッパでの評価を上げたと聞いている」と、加地さんを高く評価しているということをなぜか伝聞形だけど語っていたから当然だ。辛口のセルジオはどうか。

こちらは3バックだが、やはり右には加地さん。その他の解説者も、それぞれシステムやFWの選手は違えど、右サイドには必ず加地さんを選んでいる。




加地さんは、負けないよ。(2)



不動だ。全員がメンバーに入れているのは他に俊輔・ヒデ・中澤・川口くらいで、つまり今や加地さんは俊輔らと同じくジーコJAPANの中心的存在と誰もが認めているということだ。

ところが。なんかひとり、金属バットで頭でも打ったのか、おかしなことを言う人がいたのだった。


福田。「僕は駒野の1対1の強さ、クロスの精度を買ってるんで」。まだ言うか、クロスの精度とか。それによく見るとセンターバックの右側が闘莉王だ。闘莉王と駒野さんの横並び。怖すぎないか、顔が。ロハスが足りない。ロハスがなんだか知らないけど。

そうじゃなくて違うんだよ、そうだなあ、なんていうのかな、ピッチが学校のグランドだとするだろ?そしたら、日本の右サイドはさ、グランド脇の花壇みたいなもんなわけよ。グランドではみんながスポーツに汗を流す。男と男の真剣勝負だ。買った負けたで一喜一憂するだろう。それで心も身体もへとへとに疲れたとき、ふと、花壇を見る。そこには可憐な花が、けなげに咲いている。それに男たちは心癒されるんだよ。だけど花壇に駒野さんが生えててみなよ。おっかなくてしょうがねえ。ヘタに近寄ったら金属バットで殴られっちまうし。だからね、俺はやっぱり日本の右サイドには加地さんがいて欲しいのよ。加地さんっていう一輪の花が風にふんわり揺れている。それだけでいいじゃないか。な、そうだろう?

ロハスな加地さん(1)

一応見ておかなければな、と本屋へ行き、女性誌コーナーにむらがる女性たちをかき分けて立ち読みしてみた、石田ゆり子のセミヌード

エロくない。あ、エロいとか下品な表現はよくないか。エロスが足りない。あんまり変らないか。まあ、女性誌の、ロハスだかなんだかの特集なのでこんなもんかとも思うものの、ロハスよりエロスだろう、ヤッパリ、エロス、ヒツヨウネ。(呂比須)

でも石田ゆり子という人は、異性よりも同じくらいの年頃の同性にある種の憧れの対象として人気のある人なのかもしれず、であればエロスを押し出すヒツヨウはない、というかむしろ出さない方がいいのだろうな。

異性からの人気といえば、加地さんはどうなんだろう。女性に人気がないわけではないだろうけれど、でもきゃーきゃー言われちゃうという感じでもない気がし、あるTV番組での、日本代表イケメンランキングの中に加地さんは入っていなかった。同性の私から見て加地さんはイケメンではないとは思わないが、女性からの評価は違うのだろうか。

TV番組のランキングなど信用できないので、私の身の回りの女性にアンケートを取ってみたが、あげられる名前はあまり変らず、宮本、稲本、楢崎、中田、田中、中田など。意外に俊輔も人気なのが不思議で、あげくに小笠原などと言い出す者もおり、女性の好みはよくわからない。で、残念ながら加地さんには票が入らず、おかしいな、そうだ、子どもに聞いてみようと、公園で遊んでいた小学2年生くらいの女の子に声をかけたところ、お母さんがすっ飛んできて私は不審者扱いだ。

ロハスな加地さん(2)

しかたないので、家の者に女性から見て加地さんはどうなんだ、と聞いてみたところ、顔は全然悪くないと思う、と前置きした上でこう答えるのだった。

「エロスが足りない」

そうなのか。そうだな、確かにそうなのかもしれない。

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少年だ。もしくは小動物。癒しはあるが、エロスはない。

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石田ゆり子同様、ヌードなのにエロスが微塵もない。

女性が男性の好き嫌いを言うとき、顔もそうだが「エロス」も重要な要素なのだな。フェロモンと言うべきか。ああ、わかった、俊輔が人気なのもそこなのだ、最近は違うけど昔のあの茸ヘアーがエロスをかもし出していたのだろう、なにしろ茸はエロスだ。え、違う?

とにかく加地さんが女性からの人気を獲得するのに必要なのは、エロスだ。まずは髪を伸ばして茸に、ってだから違うらしい。というかそもそも、加地さん本人は女性にきゃーきゃー言われたいとは思っていないだろうし、それに茸ヘアーになってまでモテたい加地さんなんて既に加地さんじゃない。加地さんは今のままでいいのだ。加地さんにエロスはいらない。エロスより、ロハス。加地さんは世界を代表する「ロハス・フットボーラー」なのだから。

えーっとところで、「ロハス」って、何?

W杯イヤー

さんの必殺のクロスがピンポイントでFWの頭に、もしくは必殺の金属バットがピンポイントで加地さんの右脚に炸裂したら、それもどうなるかわからないが。

ってさりげなく前回の続きを書いてみたが、ダメか。なにしろ年をまたいでしまった。そう、ついに来たのだ、2006年、W杯開催の年が。

元日、NHKでW杯最終予選を振り返る番組をやっており、番組自体は去年の12月24日に放送したものの再放送だったようだが、その番組を観つつ、いよいよ今年が本番なのだということをあらためて実感するのだが、しかし番組内でインタビューされているのは宮本や中田ばかりで、我らが加地さんが画面に映るのは、誰かのゴール後に歓喜の輪に駆け寄るところがちらり、とか、アウェイイラン戦での大惨事のシーンなどばかりで、ほとんど唯一の見せ場、ホームイラン戦での加地さんのゴールシーンはカット、というか、試合自体「このあとホームでもイランに勝ち…」とかいうナレーションのみの扱いで、加地さんサポには少々寂しい番組であった。まあ、しかたがない。ピッチの端っこを行ったり来たりしてる人を映し続けても、何の番組だかよくわからないし。

ドイツW杯閉幕後、もしくは今年の年末とかには、W杯の激闘を振り返る番組が放送されるだろう。その番組にはぜひ、加地さんがたくさん映ることを願ってやまない。スタジオに招かれてインタビューされたり。

ドイツのピッチをドリブルで疾走する加地さんのスロー映像。宮本のインタビュー、「加地!って叫んだけど聞こえてなかったみたいですね」。ミドルシュートを放つ加地さんのスロー映像。加地さんのインタビュー、「あの…、はい、夢中でした」。シュートがゴールネットに突き刺さる。ナレーション、「加地のゴールで日本の決勝トーナメント進出は消えた。オウンゴールだった」。ほっぺを真っ赤に染めてうつむく加地さん。

2006年、そんな大惨事を僕らにたくさん見せてくれ。頼んだぞ、加地さん。

ゆく年くる年

凶悪な駒野さんの写真で今年のこのブログのようなものを締めくくるのはどうかと思い、初めて携帯電話から更新してみているのだった。しかるべきメールアドレスにメールを送信すると、その内容が新しい記事として掲載されるらしいのだが、はたして上手くいっているのだろうか。文字数制限とかあったような気がするがどうだろう。

なぜ携帯からなのかというと、それは私が一年の疲れを取りに温泉に来ているからで、今は露天風呂の湯船につかりながら、浮かべたお盆でお猪口を傾けつつ、携帯でこの文章を入力しているのだ、いやあ極楽極楽、って嘘だけど。いや、温泉にいるのは本当だ。あまりくだらない嘘ばかり書いていると駒野さんのバットで血を見るぞ。駒野さんはもういいか。

まあ私など温泉でとるほどの疲れがたまるような一年を送ったとも思えず、その意味では加地さんこそJに代表に子づくりにと大忙しの一年で、今頃は地元にでも帰ってゆっくりと体を休めているだろうか。それとも駒野さんの気迫に危機感を感じ、今日もまだクロスの、もしくは護身術の練習をしているだろうか。いや、だから駒野さんはもういいって。

とにかく、来年はいよいよドイツW杯。加地さんが世界中にその名をとどろかせる年だ。2006年はサッカー史において、いや、世界史において記念すべき年になるだろう。まあもっとも、駒野

駒野さんに気をつけろ

加地さんのアメリカ遠征メンバー入りは、怪我の具合さえよければ当然なので驚きも喜びもないが、気になるのはやはり召集された加地さんのライバル、駒野さんのことだ。

中国新聞 佐藤寿・駒野が日本代表入り
「ここまで来たら本番のメンバーに残りたい。ライバルは加地さん(F東京)。自分の手でポジションを勝ち取りたい」と右サイドの定位置取りへ、アピールする構えだ。

スポニチ 駒野、加地と決戦
「代表歴が違いますから。(中略)クロスには自信がありますが、もっと磨きをかけます」

ポジション奪取に燃えている。しかしこのコメントを聞いて、駒野さんはまだまだ加地さんのポジションを脅かすには至るまい、と思ったのは私だけだろうか。みんなうすうす気付いている。駒野さんもそろそろ気付くべきなのではないか。

クロスとか、あんまり関係ないっぽい。

ジーコJAPANの右サイドに求められるものがクロスからのアシストなどではないことに、いい加減みんな気付いている。加地さんへのライバル意識はけっこうだが、だからクロスで競ってもだめなのだ。そもそも駒野さんのライバルはクロスなんか上げていないので、競いようがない。

では何で競えばいいのかと聞かれるとそれは難しい質問で、そうだなあなんていうか、癒し?みたいな?よくわからないけれど一つだけいえるのは、駒野さん、ちょっと怖くないか、見た目が。いや、対戦相手を威圧する意味で、見た目が怖いことはひとつの武器になるのかもしれないが、それもたぶんジーコJAPANの右サイドには必要とされていない気がする。

また別の、かなり怖い駒野さんの写真。

加地さんのポジションを奪い取ろうと燃えている駒野さん。手にしたそれは競技を間違えているのか、それとも力ずくでポジションを奪い取るための道具なのか。怖い。怖すぎるぞ、駒野さん。

クロスマスイブ – I(1)

「あの、お客さん」。呼び止められた映里が振り返ると、サンタクロースが福引の抽選券を差し出しているのだった。「これ、1回どうぞ」。プレゼントが抽選券1枚とはなんともセコいサンタクロースだが、もちろん彼は本物のサンタクロースではなく、サンタクロースの扮装をした薬局の店員だ。「メリークリスマス」。サンタクロースは、照れ笑いとも泣き顔とも見分けがつかない表情で、そう言った。

映里は歩きながらため息をついた。クリスマスイブの夕方、若い女がひとり大掃除用の洗剤を買って家に帰るのって、そんなに不憫に見えるのか。お買い上げ千円ごとに1枚。薬局のある商店街で開催されている歳末福引大会の抽選券は、映里が買った洗剤1本では本来もらえないはずだった。薬局の店員に同情される私って…。でも、と映里は思う。他人にどう見えようと、私は別にかわいそうじゃないし、寂しくもない。今日私がひとりでいることは、私が望んだことだから。望んだ?本当にそうだろうか。私が望んだのは、こんな毎日を、こんな気持ちで過ごすことだったんだろうか。

けたたましい鐘の音で映里は我に返った。「やったね、おねえちゃん、特賞だよ!」。はっぴを着た中年の男が鐘を振りながら大声を上げ、周りの買い物客の視線が映里に集中する。わー、いいわね、いいなあ。人々は声をあげ、抽選会場はちょっとした騒ぎである。え、何?映里はわけがわからなかった。はっぴの男が、これは来年のワールドカップの何々で、などと説明するものの動転して事態が飲み込めず、ワールドカップ?え、観戦ツアーが当たっちゃったの?どうしよう、ドイツ?有給取らなきゃ、と慌てる映里に渡されたのは、真新しいサッカーボールった。

クロスマスイブ – I(2)

特賞がサッカーボール一個って、どういうこと?自宅の床に置かれたサッカーボールと向き合うように座り、映里は考えていた。せいぜい四等か五等くらいじゃないの?はっぴの男や周りの人がなぜあんなに喜びうらやましがっていたのか、さっぱり理解できない。このボールが来年のワールドカップで使われる新しいボールであることは、映里もテレビで見て知っている。だからといって特賞の価値があるだろうか。

「でも」
声に出して言い、ボールを抱えて床にあお向けに寝転がる。映里は少なくともひとり、このサッカーボールをもらって嬉しがるだろう男を知っている。来年のワールドカップを一緒に観に行こうと約束したその人とはしかし、今はもう、会っていない。映里が、そう望んだから。

寝転がったまま両手でボールを持ち上げ、そっとおでこに当ててみる。つるつると冷たい感触が伝わる。そのまま目を閉じてみると、両手とおでこで感じるその丸い物体は、過去のいつかの自分から、今日の自分に突きつけられた問いのようなものに思われた。

私が望んだことって?私が望むことって?

映里は分かった。その答えは、もうずっと前から私の中にあったのだ。ただそれを引き出す問いと向き合うことを、私は今日まで避けていたのだと。

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